ブラック企業正社員が奨学金を返せず自己破産した話

当時23歳。航空業界某下請ハンドリング会社事務職。正社員でも奨学金返済ができず自己破産した経緯を語ります。

家賃を抑えたい

事務職は一般的に、給与が少ない。

そこで、特に「一般職」という部類で採用される女性たちは、支出の多くを占める家賃をなんとか抑えるために、以下のような工夫をする。

①親元から通う。銀行の一般職などは、これが前提となっていることすらある。

②安い社員寮があれば入る。これは総合職でもおなじみ。

③なるべく安いアパートを探す。都心から少し離れた場所、通勤時間が長くなるというデメリットはあるが、千葉や埼玉のアパートを探すとそれだけでかなり家賃が抑えられる。

私が入社したのはハンドリング会社だったため、当然空港の近くに住まなければならない。面接では「社員寮がある」と言われていたので、私は当初そこに入るつもりでいた。しかし内定が出てから、「女性用はない」と掌を返されたため、私は会社が指定する空港近辺でワンルームを探すことになった。

高い。

空港近辺はこうした航空会社・ハンドリング会社の住居需要が常にあるため家賃が比較的高い地域であり、なかなか安いアパートを探すことができなかった。特に贅沢を言っているつもりはなかったが、やはり女性なのでオートロック付マンションでないと不安である。となると、どうしても家賃は8万円を超えてしまう。会社からは住宅補助が1万円出たが、それは焼石に水だった。

手取り20万円、家賃が実質7万円。「家賃は手取りの3分の1以下」という独り暮らしの常識を、私は早速打ち破らざるをえなかった。