ブラック企業正社員が奨学金を返せず自己破産した話

当時23歳。航空業界某下請ハンドリング会社事務職。正社員でも奨学金返済ができず自己破産した経緯を語ります。

入社~座学研修で分かるブラック企業の特徴

この辺りが、逃げ出せるギリギリのラインになります。

 

【入社式】

・そのへんのレンタルスペースなど、あまりにも簡素な場所で行われる

→ホール等を持ったり借りたりする資力もない。また、新入社員にとっては一生に一度の思い出深い日を、「まあこんなものでいいでしょ」と見くびっている。

 

・とんでもない条件の労働条件通知書をこの日に渡される

→この瞬間、それなりに嬉しそうにしていた新入社員たちから一斉に笑顔が消えます。

 

・初日から遅刻、忘れ物が続出

→それだけモラルのない人たちの中で自分がどう成長していけるのか、一抹の不安が胸をよぎります。

 

・社長がちょっと話して、10分くらいで終了

中途採用者を毎月採用しているようなブラック企業では、入社式ですら日常のこととなり、盛大にやろうという気持ちすらなくなっていきます。

 

・自己紹介もオリエンテーションもない

→社員にとって働きやすい環境を整えようとか、緊張をほぐそうとか、そんな気遣いもありません。あまりにも淡々としすぎていて、まるで「大学生のときに経験した郵便局での年賀状仕分けバイトの初日合同説明会」みたいな感じがしました。

 

【座学研修】

・マナー研修が一切ない

→そんなものを教えるよりは、とにかく研修を早く終わらせて現場に放り込みたいのです。そのためマナーがなっていない人間が現場に大量発生することに…

 

・研修自体が一週間

→アルバイトではありません。正社員です。とにかく早く現場に放り込まないと、人手不足すぎて現場が回らないのです。

 

・研修最後のテストは、教官が堂々と答えをカンニングさせる

→私は空輸業界ですので、空輸に関する知識のテストが最後出されましたが、「ノート持ち込み可」「マニュアル完全閲覧自由」「一定の時間を過ぎると教官が正解を指さし全員に合格点を取らせる」という恐ろしい状態に。不合格者を出して補習でもしようものなら現場が人手不足でパニックになるのです。あるいは、人を選んでいないがために当然、とんでもなく頭が悪い人も入ってきます。そのような人でも受からせないと、どうにもならないのです。

 

・教官や上司がリラックスさせようと笑いと取るが、差別的表現やモラルがない言動が多い

→空港での業務、必然的にかなりグローバルな業務ではありますが、上司が「韓国人の物まね」をして笑いを取るというモラル崩壊現場。ネットで見ても顔をしかめるようなものを目の前で見て、これが現実のものであるとは思えなかった。というか、ここに韓国のルーツを持つ人がいたらとか、考えないのでしょうか?

 

・大切なことを教わる時でもふざけている、しかも人間として色々おかしい

→飛行機に関する仕事ですので、当然のごとく御巣鷹山の墜落事故の話がされました。すると新入社員の一人が、「羽が取れたとか、ヤバーイ、ウケる!」と爆笑。

普通だったらその場で怒鳴られ、追い出されても文句は言えないことです。しかし、つられて他の新入社員も爆笑!上司まで爆笑!どこに爆笑の要素があるの!?

ドリフのコントで、志村けんが操縦するラジコン飛行機だけ墜落する、とかでしたらギリギリ笑えるのかもしれない(それでも今ならクレームたくさん来そうですけれど)…しかしこれ、多くの方が亡くなって、遺族の方も苦しまれて、そんな決して繰り返してはならない大惨事なのに。これで笑う人間が複数いること、誰も諫めないこと、これだけ取ってもかなり異様な職場であることが分かります。

 

とはいえ、「御巣鷹山の墜落事故を茶化すような会社では働けません!」とその場で辞表叩きつけて出ていくなんて、そうできることではないです。もう雇用契約は(口頭だけど)締結されていて、もう「滅多なことでは辞められない」状況にはなっているのですからね…私もこの辺りでは、「あれ、何かおかしい?」と思いつつも、必死でその不安を抑えこんでいました。