ブラック企業正社員が奨学金を返せず自己破産した話

当時23歳。航空業界某下請ハンドリング会社事務職。正社員でも奨学金返済ができず自己破産した経緯を語ります。

債務整理の種類

弁護士が説明してくれた話を要約すると、債務整理には三種類ある。

①自己破産

借金を完全にゼロにする手続。裁判所の許可が必要であり、職業制限がある、一定期間ローンが組めないなどデメリットも多い。

②任意整理

債権者と交渉し、返済可能な額まで借金を減額し、分割して返していく。日本学生支援機構はこの任意整理に応じていないため、奨学金の返済ができない場合はこの方法は使えない。

民事再生(個人再生)

債権者と交渉し、三年以内で減額された債務を返済するという計画を裁判所に提出し、認めてもらう方法。もともと奨学金は20年程度かけて返済するものなので、三年以内の返済となると現在より返済計画が厳しくなるため、これも私は選択できない。

 

というわけで、私が選択できる債務整理は自己破産のみだった。そして自己破産にも二種類存在する。

①管財事件

破産管財人という弁護士が裁判所から選出され、債務者の財産をすべて換金し、債権者に平等に分配する。ある程度の財産はあるが、債務が莫大である場合に用いる方法。会社の倒産などで用いられる。

②同時廃止

そもそも換金できる資産などがまったくないため、管財人を選出するまでもない場合。破産の申立と同時に免責許可を出す簡易な手続。

当時私の手元にある現金は10万円を切っており、不動産の所有ももちろんなかったため、同時廃止の方向でいくことは初回の面接でサクサクと決まっていった。